
調査詳細
Q1: デモグラフィック
サンプル数: 51件
年齢: 20-50代が約60%(30代32%、40代22%、50代14%)。
性別: 男性42% / 女性58%。
主職: フリー/個人36%、会社員(クリエイティブ)16%、経営14%、学生8%。
地域: 関東中心(東京18件・千葉6件)+全国分布、海外1件。
Q2: AIとの関わり方
AI関与度
「AIがなければ仕事不可」必須23件、「不可欠だが代替可」16件で実務依存が多数。
生成領域: テキスト95%、画像84%、動画61%、コーディング49%。
有償実績: 毎月収益あり33%、単発/不定期21%、未収益46%。
AI案件効果: 時間短縮34件、品質向上30件、新規受注16→今後21件。
Q3: 学習・制作環境
投資と環境
ツール費用: 月1-5千円34%、1-2万円16%、5千-1万円16%。
学習投資: 無料〜5千円47%、2-3万円16%、5万円以上9%。
学習チャネル: YouTube/技術ブログ70%、独学65%、コミュニティ44%。
制作環境: Win11 59%、Mac(M2+)32%、スマホ45%; GPUはApple Siliconが最多。
主要ツール: ChatGPT 91%、Gemini 41%、Midjourney 23%、Runway 20%、Suno 55%。
調査サマリー
◆ 第1章:はじめに
本調査は、生成AIを活用して創作活動を行う、またはその可能性に関心を持つ個人を対象に、AI時代における「つくる人」の実態を明らかにする目的で実施した。回答者は、30〜50代の実務経験を持つクリエイター、特にフリーランスが中心であり、AIを“創作と仕事の不可欠な基盤”として位置づけている層が大半を占めた。
分析の結果、AIクリエイターは複数の生成AI領域(テキスト・画像・動画・音楽など)を横断して活用し、効率化だけでなく新規価値の創出、収益化、自己表現の拡張といった多様な成果を得ていることが明らかとなった。一方で、ボトルネックとしては「コスト負担」「学習ハードル」「著作権・倫理不安」「情報更新の速さ」などが共通課題として浮かび上がった。
本調査データは、AICUがビジョンとして掲げる、AI時代に 「つくる人をつくる」の実体把握の基礎データとして継続活用されるとともに、生成AIを用いる創作者のプロファイル化、価値観診断、AI人材マッチング、責任あるAI活用ガイドラインなど、次世代のクリエイティブ実践を支える社会的基盤形成に寄与すると考えている。
◆ 第2章:調査概要
1. 調査目的
本調査は、生成AIを活用する「つくる人」の実態を、属性・価値観・スキル・創作行動・収益・投資・課題・倫理意識など複数の観点から総合的に把握することを目的として実施した。
2. 調査対象
生成AIを活用して創作・業務・企画などを行っている、または利用意欲のある個人。主な回答者層は以下の通り。
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画像・テキスト・動画・音楽など複数領域を扱うAI利用者
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AICUを中心としたAIクリエイティブコミュニティ参加者
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AI創作に関心の高い一般クリエイター
3.サンプル数
サンプル数は N=50。
4. 調査期間
2025年11月5日~2025年11月23日
5. 調査方法
オンラインアンケート(Googleフォーム形式)。
6.備考
設問によって有効回答数が異なる(無回答・スキップあり)
第3章:調査結果(第1層:データ編/Facts)
【Q1】本調査結果のデータ利用方針についてご同意いただけますか?
【Q2】あなたの年齢を教えてください。
回答者の年齢は、30〜50代が全体の約8割を占めた。内訳は40代(32%)、50代(28%)、30代(22%)で、20代(10%)、60代(8%)が少数派として続く。主要な利用者層は実務経験を持つ30〜50代であり、若年層に限定されず複数世代に広がっていることが確認された。
【Q3】あなたの性別を教えてください。
性別構成は男性58%、女性42%であった。スキル系調査としては女性比率が相対的に高く、多様な属性の利用者が生成AI創作に参加していることが確認された。
【Q4】現在の職業を教えてください。
回答者で最も多かったのはフリーランス・個人事業主(36%)で、次いで会社員(クリエイティブ職:16%)、会社経営(14%)が続いた。非クリエイティブ職、公務員、研究関係者、学生なども少数存在した。
職業構成は幅広いが、全体の約半数が創作や企画を職業と結びつけやすい層であり、生成AIが実務的価値を伴って活用されていることが読み取れる。
【Q5】お住まいの地域を教えてください。
回答者の居住地域は 東京都を中心とする首都圏が約6割を占めた。東京が最多で、神奈川・千葉・埼玉が続く。その他は大阪・愛知・兵庫・福岡、地方県、海外が少数で構成された。
生成AI利用者は都市圏に集中しつつも、全国・海外に分散する構造が確認された。
回答者は、自身のAIとの関わり方として複数の立場を選択していた。
主な選択肢では、「AI受容者・ファン」が最も多く、次いで 「AIアーティスト」、「AIエンジニア」、「AIプロデューサー」 が続いた。複数回答が可能であったため、一人が複数の立場を併せ持つケースも多く確認された。
回答者の多くは、創作者・技術者・受容者といった複数の立場を横断してAIに関わる傾向が見られた。
回答者27名の所属セクターは、個人クリエイター(フリーランス・副業含む)が48.1%と最多であった。
次いで、クリエイティブ企業(制作会社・広告・デザイン等)が11.1%、出版(7.4%) が続く。
その他、映画、ゲーム・VTuber、教育機関、行政・公共、製造業など、各セクターから1~2名の回答があった。
生成AIを活用する「つくる人」は、個人クリエイターが中心でありつつ、産業横断で参加者が広がっていることが確認された。
回答者の 86%(43名) が「生成AIを使って制作を行っている」と回答した。
一方、「鑑賞・購入のみ」と回答したのは 10%(5名)、「どちらも行っていない」は 4%(2名) にとどまった。
つまり、回答者の約9割は 制作活動に直接関与 しており、純粋な鑑賞者は少数派である。
本調査の回答者は、生成AIを「見る側」ではなく、自ら制作に活用する“つくる側” が圧倒的多数を占めていた。
回答者 43 名のうち、最も多く利用されていたのは テキスト生成(95.3%/41名) であった。
次いで、
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画像生成:36名(83.7%)
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動画生成:26名(60.5%)
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コーディング支援:21名(48.8%)
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音楽生成:18名(41.9%)
そのほか、
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3Dモデル生成
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スライド生成/サイト生成
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企画壁打ち
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高度な3D(TripoAI等)
といった個別領域が いずれも1名(2.3%) ずつ確認された。
「使用していないが興味がある」を選択した回答者はゼロであり、回答者のほぼ全員がいずれかの生成AI領域を実際に利用していた。
回答者は テキスト・画像・動画・音楽・コーディングと複数の生成領域を横断して利用しており、特にテキスト生成の利用率が極めて高い ことが確認された。
生成AIを用いた制作に関する有償実績については、回答者50名のうち、
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「有償実績がある」:23名(46%)
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「有償実績がない」:20名(40%)
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「無回答・その他」:7名(14%)
「有償実績がある」と回答した23名の内訳では、
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毎月の継続的収益がある:14名
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数ヶ月に1回程度の不定期収益:6名
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1回のみの単発収益:3名
という分布であった。
回答者の半数弱がすでに何らかの形で収益化を経験しており、継続的に収益を得ている層も一定割合を占める。
回答者の約半数が生成AIを用いて 有償の制作経験を持ち、一定の収益化が進んでいる層が存在する ことが確認された。
有償実績がある 23 名のうち、売上帯は以下のように分布した。
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〜10万円未満:9名(39.1% )
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〜50万円未満:4名(17.4% )
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〜100万円未満:2名(8.7% )
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100万円以上:8名(34.8% )
売上規模は“少額〜中規模”まで幅広く、年100万円以上の収益を得ている回答者も8名存在した。
生成AIを活用した収益は少額にとどまる層も多い一方で、年100万円以上の売上を上げるクリエイターが一定数存在し、収益構造の多様性が確認された。
◆ 調査結果(第2層:コスト・環境・意識調査) 続いて、AIツールの利用コストや学習環境、そしてクリエイターの意識に関する詳細データをご報告します。
【Q11】月額のAIツール利用料について 過去1年間の平均的な月額利用料について伺いました。 結果は、「無料から5万円以上」まで非常に幅広く分散しています。 具体的には、月額1,000円から3万円の範囲で支払っているユーザーが全体の約60%を占めました。その一方で、月額2万円以上を支払う「高額投資層」も約30%存在します。 「無料で使う層」と「積極的に投資する層」、AI活用の深さに応じて二極化が進んでいる現状が見て取れます。
【Q12】学習・スキルアップへの投資について AIに関する学習への投資額についても同様の傾向が見られました。 0円から数万円まで幅広く分布しており、中には月額2〜3万円台の自己投資を行っている方もいらっしゃいます。学習意欲には個人差がありますが、新しい技術に対して一定のコストをかけるユーザーが多いことが分かりました。
【Q12a・b】学習のチャネルについて では、皆さんはどこで学んでいるのでしょうか。 最も支持を集めたのは「オンライン動画」と「Web記事」で、ともに約7割の方が利用しています。次いで「独学」が続きます。 「最も役に立つもの」としても、オンライン動画、独学、Web記事がトップ3を占めました。 体系的な講座よりも、**動画やWeb記事を活用した「自律的で柔軟な学習スタイル」**が、AIクリエイターの主流となっているようです。
【Q12c・d】制作環境とハードウェアについて 制作環境については、PCとスマートフォンの併用が主流で、ごく一般的なPC環境で制作が成立していることが分かりました。 GPUなどの計算環境についても、Apple SiliconやクラウドGPUなどが使われていますが、ローカル環境での高性能GPUへの依存度は限定的です。ハードウェアスペックよりも、クラウドベースの「ツール主導」で利用が進んでいることがうかがえます。
【Q12d・e】使用ツールとコストの傾向 使用されているツールは非常に多岐にわたります。 ChatGPT、Midjourney、Stable Diffusionといった主要AIツールに加え、PhotoshopやPremiereなどの従来の編集ツールも併用されており、「AIと既存ツール」が自然に組み合わさっています。 また、「その他」の回答として、ローカルAIやコーディング支援などの新しいツールが多数挙げられました。回答者の多くが、新しい技術を積極的に試す「アーリーアダプター」であることが如実に表れています。 これに伴い、サブスクリプションの合計金額も、月額2万円を超えるヘビーユーザー層が目立ち、**「複数のツールを使いこなすための投資」**が活発に行われています。
【Q13】AI利用の効果と期待について AI利用の効果について、「現状」と「今後」を比較すると、興味深い「三層構造」が見えてきました。 まず第1段階として、**「時間短縮」や「品質向上」については、すでに多くの方が効果を実感しています。 第2段階の「新規受注」や「明確な価値創出」については、現時点では「今後の期待」とする声が多く、これからの課題と言えます。 そして第3段階である「コミュニティ発信」や「キャリア拡張」は、すでに実践している層とこれから広げたい層が混在しており、現在進行形のチャレンジ領域となっています。 AIは効率化の道具としてはすでに定着しており、今後は「いかに収益や社会的価値につなげるか」**が焦点となりそうです。
【Q14】AIに対する態度について 回答者の約8割が、AIを**「仕事や創作にとって不可欠、または重要なインフラ」**であると捉えています。 「便利だがなくてもよい」という回答は少数派であり、多くのクリエイターにとって、AIはもはや手放せないパートナーとなっているようです。
【Q15】AI利用のボトルネックについて 一方で、課題も浮き彫りになりました。 特に多かったのは、「利用コストの高さ」「情報の更新スピードに伴う学習負荷」「品質調整の手間」、そして**「権利や倫理の不透明さ」**です。 お金、時間、そしてルール。この3点が、現在のAIクリエイターにとっての大きな障壁となっています。
【Q15-a・c】証明書サービスへのニーズ こうした背景からか、AIクリエイター向けの「スキル・倫理証明サービス」に対して、約8割の方が利用意向を示しました。 具体的には、「プロンプトなどのスキル証明」だけでなく、「著作権法の理解」や「倫理観」、そして「作品の真正性」を証明したいというニーズが強く、**不透明な環境下での「信頼の可視化」**が求められています。
【Q16】作品の公開について 制作した作品の公開先は、X(旧Twitter)を中心としたSNSと、YouTubeなどの動画プラットフォームが主流です。 「公開していない」という人は少数で、回答者の多くが積極的に作品を外部へ発信していることが確認されました。
【Q17】他者への応援と二次利用について クリエイター同士の交流についても伺いました。 他者の作品に対して、少額ながらも金銭的な支援を行っている方が多数派であり、相互応援の文化が形成されつつあります。 また、自身の作品の「二次利用」については、「非商用ならOKだが、商用は要相談」というスタンスが最多でした。ただし、寛容な方から厳格な方まで意見は幅広く、ライセンスに関する合意形成はまだ過渡期にあるようです。
【Q17-c】著作権の責任所在について AI生成物の著作権責任を誰が負うべきか、という問いに対しては、「ツール提供者」とする意見と「利用者自身」とする意見で回答が割れました。この領域に関しては、クリエイター間でもまだ見解が定まっていないことが分かります。
【Q19・Q20】定性的な評価と今後の要望 最後に、自由記述の回答をご紹介します。 AIを利用して良かった点として、**「表現の幅が広がった」「創作が再び楽しくなった」**という、心理的なポジティブ体験が多く寄せられました。単なる効率化だけでなく、クリエイターの心を動かすツールとして機能していることが伝わってきます。 また、今後調査してほしいテーマとしては、「最新ツールの技術比較」に加え、「収益化の方法」「権利問題の整備」「AIの未来像」などが挙げられました。 「道具・お金・法律・未来」。この4つのテーマに、クリエイターたちの関心が集まっています。
【まとめ】 以上、調査結果の詳細をお伝えしました。 本調査にご協力いただいた皆様の多くが、今後のインタビュー調査にも「協力可能」と回答してくださっています。AICUでは、こうした熱量の高いコミュニティとともに、AI時代の「つくる人」を支える活動を続けてまいります。
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20,000〜30,000円:7名(16.3%)
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30,000〜40,000円:1名(2.3%)
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40,000〜50,000円:1名(2.3%)
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50,000円以上:4名(9.3%)
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その他(年間20,000円以上):1名(2.3%)
AIツール利用料は 無料~50,000円以上まで広く分散しており、
特に 1,000〜30,000円の範囲で支払うユーザーが約60% を占めた。
一方で 20,000円以上の高額投資層も約30% と一定数存在し、
AI活用の深度に応じた二極化が見られた。
0円〜数万円まで幅広く、月2〜3万円台の自己投資をする層も存在した。
学習意欲には個人差があるが、一定の投資を伴うユーザーが多い。
最も支持を集めたのはオンライン動画・Web記事(ともに69.8%)であり、次いで独学(65.1%) が続いた。
生成AIに関する学習は、動画・Web記事・独学という自己主導の学習方法に集中しており、コミュニティや書籍は補完的な役割となっていた。
もっとも支持を集めたのはオンライン動画(28.6%)であり、次いで独学(23.8%)、Web記事(21.4%)が続いた。
生成AIに関する学習では 動画・独学・Web記事が三大主要チャネル となっており、体系的な講座よりも“自律的で柔軟な学習方法”が重視されていることが確認された。
PC(Windows、Mac)+スマホ併用が主流。スマホ中心も一部存在。
生成AIの利用は 一般的なPC環境で成立していた。
Apple Silicon、RTXシリーズ、クラウドGPU(Colab等)などが少数ずつ。ローカルGPU利用者は限定的。
高性能GPU依存は限定的で、ツール主導の利用が多かった。
回答者が使用している制作ツールは 非常に幅広く、多領域にまたがっていた。
主要ツールとしては、ChatGPT、Midjourney、Suno、Stable Diffusion(A1111/ComfyUI)、Runway、Google Veo3・ImageFX といった テキスト/画像/動画/音楽の主要AIツールが複数同時に使われる構造が目立った。
加えて、Adobe Photoshop・Premiere・After Effects、DaVinci Resolve、CapCut などの 従来型の編集ツール も併用されており、AIツールとDCCツール(Digital Content Creation)が自然に組み合わさっている。
さらに特筆すべきは、自由回答に見られた 選択肢外の“その他ツール”の豊富さである。
差分として抽出された15種類のツール(LM Studio、Cursor、vscode、animon、coze など)は、ローカルAI・コード支援・新興動画AI・制作補助など先端領域に集中しており、回答者の多くが 新しいツールを積極的に試すアーリーアダプター であることがうかがえる。
有効回答は 22件 で、金額の分布は以下のような傾向となった。
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0円(無料枠内) の回答が一定数存在
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〜5,000円程度 のライトユーザーが複数
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10,000〜30,000円台 の継続投資層も複数
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月20,000円以上 の“ヘビーユーザー”層が目立ち、
多数のツールを併用する傾向がある
利用者の間で支出額の幅が大きく、制作スタイルの違いに応じて「無料/低額利用」と「複数ツールを併用する高額投資層」という二極化傾向がみられた。
【Q13】AI利用によって実現できた「効果の現状」と、今後「期待していること」をそれぞれ教えてください。
AI利用によって得られている効果について、回答者は「現状すでに実現できていること」と「今後さらに伸ばしたいこと」を9つの観点から回答した。
その結果、
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「時間短縮」と「品質向上」 は「現状できている」と回答した割合が高く、すでに多くの回答者が効果を実感している。
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一方で、「新規受注」「業務フロー開発」「明確な価値創出」 は「今後伸ばしたい・期待したい」が優勢であり、現時点では一部の先行層にとどまっている。
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「コミュニティでの発信・コラボ」「クリエイティブ職への意欲・キャリア拡張」「オープンソースなど共有技術開発への参加」については、「現状できている」「今後伸ばしたい」がいずれも一定数あり、実践している層と、今後取り組みを広げたい層が混在する結果となった。
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「AI関連企業への投資」は、現状実行している人は少数だが、「今後期待したい」とする回答は一定数見られた。
Q13の結果から、生成AI活用の効果は、
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第1段階:時間短縮・品質向上(すでに達成済み)
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第2段階:新規受注・業務フロー開発・価値創出(これから伸ばしたい領域)
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第3段階:コミュニティ発信・キャリア拡張・共有技術開発(チャレンジ中の領域)
という「三層構造」で捉えることができる。
多くの回答者にとって、AIはすでに効率化の道具としては十分機能している一方で、収益化・事業化・社会的価値への展開は「今後の期待領域」として残されていることが明らかになった。
回答者の大多数が、AIに対して肯定的かつ積極的な態度を示した。
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AIがなければ仕事・制作は成り立たない(不可欠):最多
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不可欠ではないが重要:次に多い
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便利だが従来手法でも可能:少数
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ほぼ使う必要はない:ごく少数またはほぼゼロ
合計すると、回答者の 約8割が “AIは仕事・創作にとって主要なインフラ” と捉えている結果となった。
回答者の多くが、生成AIを制作・業務にとって不可欠、あるいは重要な基盤ツールとして認識していた。一方で、「便利だがなくてもよい」という立場は少数派であり、AIに対する態度は全体として前向きかつ高い依存度を示した。
回答者がAI利用で感じている「課題」「障壁」として多く挙げられたのは、以下の項目であった。
上位の課題
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利用コストの高さ(サブスク・従量課金):最多
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学習・習得コスト(情報更新の早さ、キャッチアップ負荷)
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成果物の破綻・修正に時間がかかる(品質調整の手間)
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著作権・倫理・利用ルールの不透明さ
中位の課題
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PCスペック・ハードウェア要件
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日本語対応や文化的文脈の弱さ
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法規制・ガイドラインが曖昧なこと
下位(少数)
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組織文化/会社での利用制限
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チームでのAI導入の難しさ
複数回答であるため個人ごとの背景は異なるが、
「時間」「コスト」「ルール」に関連する項目が全体的に多い。
Q15の結果から、生成AIの課題は 利用コスト、学習負荷、品質調整、権利・倫理の不透明さといった “制度・習熟・品質” の三領域に集中していることが確認された。特にコストと学習負荷は多くのユーザーが共通して感じる障壁となっている。
AI業務や制作案件で活用できる「スキル証明」「倫理証明」「マネジメント証明」などの “AIクリエイター向け証明書サービス”に対して、回答者の約8割が利用意向を示した。
不要とする層は1割未満で、業務実績の信頼性やスキル可視化へのニーズが非常に高いことが確認された。
生成AIクリエイターは、証明書に 「スキル(プロンプト能力)」「法令理解」「倫理」「作品真正性」 の4軸を最も強く求めており、とくに 著作権・法令理解とプロンプト設計能力は同率トップの13件 と突出していた。これは、AI時代の不透明な権利環境と、制作スキルの専門性を同時に可視化したいというニーズが高いことを示している。
生成AI作品の公開先は X を中心としたSNSと YouTube を中心とした動画プラットフォームが主流であり、note・Instagram など複数チャネルを組み合わせて発信する利用者が多数を占めた。
一方で「公開していない」回答は少数で、回答者の多くが 積極的に作品を外部へ公開する創作者であることが確認された。
他者クリエイターへの支援額は以下のように分布した。
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支払わない:少数
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〜1,000円:最も多い
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〜3,000円:次に多い
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〜5,000円:一部
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〜10,000円:少数
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それ以上:ごく少数
全体として、何らかの金額で他者を応援している回答者が多数派となった。
生成AIクリエイターの間には、小額支援を中心とした相互応援文化が形成されつつあることが確認された。
AI作品を印刷物として使う場面は 名刺・展示・ポスター類が中心であり、作品をリアルに渡す・見せるための接点として積極的に活用されていることがわかった。一方、「使わない」という回答は少数で、印刷物を通じてAI作品を届けたいというニーズが明確に存在している。
生成AI作品の二次利用に対する考え方は 「非商用は許諾するが、商用は個別に対応する」 が最多であった。一方で、二次創作や再学習を広く許可する寛容派から、すべてを許可しない厳格派まで幅広い回答が存在し、生成AI時代のライセンス観がいまだ定まっていない過渡期にあることが顕著に示された。
回答では「ツール提供者が責任を負うべき」という意見が最も多かった一方で、「利用者自身が責任を負うべき」という回答も4割近く存在した。結果として、AI生成物の著作権責任については 明確な多数派の合意がなく、見解が分かれる領域である ことが確認された。
【Q19】 生成AIを利用して「よかった」と感じた体験(自由記述)
生成AIの利用を通じて 「表現の拡張」「時間短縮」「心理的ハードルの低下」「創作意欲の回復」「公開機会の増加」 など、多様なポジティブ体験が報告された。
特に “自分一人で新しい表現に挑戦できる”“創作が再び楽しくなった” といった回答が複数みられ、AI活用が創作面だけでなく心理的な面でも効果をもたらしていることが確認された。
【Q20】今回の調査に加えて「調査してほしい要素」や「おすすめのサービス」があれば教えてください
Q20では、今後調査してほしいテーマとして 「AIツールの比較・技術トレンド」 が最も多く挙げられた。特にノーコード、AIエージェント、Sora、ComfyUI、stable diffusion、3D生成、動画生成、音楽生成など、最新ツールの深掘りを求める声が多かった。また、「収益化・案件獲得」「著作権や権利問題」「教育・企業での社会実装」「制作ワークフロー」「AIの未来像」など、実務と将来に直結するテーマも複数見られた。これらの回答は、生成AIクリエイターが“道具の理解”“お金のリアリティ”“権利の整備”“将来の展望”の4領域に強い関心を持っていることを示している。
【Q21】インタビュー協力の意向
「今後のインタビュー調査等に協力してもよい」と回答したのは40名超であり、協力しないとする回答は少数であった。今後の定性調査に活用可能なパネルが形成されている。
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◆ 第4章:総合考察(Analysis) 生成AI時代の“つくる人”の構造と意味**
■ 1. 主要層は「実務経験のある30〜50代」、創作は“職能”へ変化している
本調査の回答者は、年齢構成において 30〜50代が約8割を占め、特に40〜50代の実務者が中心であった。
これは、生成AI活用が「若者の遊び」ではなく、職業的スキルや実務の延長線上に位置づく技術になっていることを示す。
40〜50代は専門領域や課題が明確で、
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制作効率化
-
新規案件の取得
-
スキルの再構築
にAIが直結するため、強い動機をもって活用している。
この構造は、生成AIが単なる娯楽ではなく、キャリアの資産形成に直結する技術として受け入れられていることを示唆する。
■ 2. AIクリエイターは「複数領域・複数ツール」を横断する“マルチモーダル制作者”
Q8(活用領域)および Q12d(使用ツール)の結果より、
AIクリエイターは テキスト・画像・動画・音楽・コーディング を横断する制作スタイルが一般的である。
さらに、
-
ChatGPT
-
Midjourney / SDXL / ComfyUI
-
Runway / Google Veo3
-
Suno / Udio
-
Adobe系(Photoshop / Premiere / AfterEffects)
を複合的に併用し、ひとりで「文章 → 画像 → 映像 → 音楽 → 編集」まで完結させる。
これは従来のクリエイター像(絵描き/動画職人/音楽家など)を超えた、
新しい“マルチモーダル・クリエイター”像の誕生を意味する。
作品制作が
“専門職の分業”から “一人で完結できる総合制作”
へシフトしたことは、生成AI時代の本質的変化である。
■ 3. 作品公開は“オンライン×オフライン”のハイブリッド化
Q16では、X(旧Twitter)、YouTube、Instagram、note に分散しつつ、ほとんどの利用者が 複数チャネルで作品を公開していた。
さらに、Q17-a では
-
名刺
-
展示会のポスター
-
履歴書/ポートフォリオ
など オフラインの表現手段としてAI作品を活用したい層が多い。
これは生成AI作品が
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SNS拡散型
-
ギャラリー展示型
-
紙媒体で手渡す型(名刺・年賀状)
のいずれでも自然に使われる「メディア横断的な表現物」になっていることを示す。
“AI作品はデジタルだけ”という先入観は完全に崩れている。
■ 4. 収益化は「二極化」しつつ、確実に前進し始めている
Q9・Q10の結果から、
-
収益ゼロ〜10万円未満の層と
-
年100万円以上の売上を得る層
が共存していることが明らかになった。
さらに、
Q11(利用料)・Q12e(学習投資)でも
無料〜低額ユーザーと、高額投資ユーザーの二極化が確認された。
これは、AIクリエイターの経済圏がまだ成熟していないものの、
個人の創意工夫次第で実績が生まれつつあることを示している。
AIが「副業の新しい入口」として確実に機能し始めている。
■ 5. 最大のボトルネックは「コスト」「習熟」「権利」
Q15-a では次の3点が明確に浮き彫りになった。
-
利用コスト(サブスクリプション・従量課金)
-
学習ハードル(更新の速さ、自学習前提)
-
著作権・倫理の不透明さ
これらは、個々人の努力では解決できない“構造的問題”であり、
政策・企業・コミュニティが共同で対応すべき領域である。
生成AI活用は個人では限界があるという視点もデータから読み取れる。
■ 6. 著作権・ライセンス意識は「慎重派/柔軟派/寛容派/判断不能」に分散
Q17-b、Q17-c の結果は非常に示唆的だ。
-
非商用は許諾/商用は個別契約(最多)
-
商用も含めて全て個別契約
-
加工・再学習を許可する寛容派
-
再学習不可/二次創作不可の厳格派
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判断できない(法律未整備のため)
この分散は、生成AI時代における ライセンス観の未成熟さと多様性 を表す。
とりわけ Q17-c では
-
提供者責任:56%
-
利用者責任:39%
と分かれ、コンセンサスが未形成であることが確認された。
■ 7. 証明書ニーズは突出して高い(約8割が利用意向)
Q15-b/c より、
-
スキル証明(プロンプト設計力)
-
法令理解
-
倫理証明(Responsible AI)
-
作品の真正性(来歴証明)
が最重要視されており、
“AIクリエイター向け資格・証明書サービス”への強いニーズが確認された。
これは、AIクリエイターの
-
信頼性
-
説得力
-
取引上の安心
-
社会的認知
を高めるための基盤づくりが求められていることを意味する。
(あなたがAICUで進めている「AICU CERT」がまさにこのニーズを満たす)
■ 8. AI活用の価値は“効率化”から“自己表現の回復”へ
Q19 で顕著だったのは、
心理的な回復効果(自己表現の再開) である。
-
創作のハードルが下がった
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自分では描けなかった/作れなかった領域に挑戦できた
-
創作が楽しくなった
-
コンプレックスが減った
-
作品公開の機会が増えた
生成AIは単に作業を早くするツールではなく、
表現へのアクセスビリティを飛躍的に高める“表現インフラ” になっている。
■ 9. 未来への関心は「技術」「収益」「権利」「社会実装」に集中
Q20 で挙げられた関心テーマは、
大きく以下の4分類に集約される。
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技術トレンド(Sora、ComfyUI、3D、Whisk、KLINGなど)
-
収益化(案件獲得・成功例・音楽AIなど)
-
権利整備(著作権・再学習・真正性)
-
社会実装(教育・公共・企業・文化比較)
これは、AIクリエイターが
“手元の制作”から“社会とつながる活動”へと視野を広げていることの証拠である。
◆ 総合的な結論
生成AI時代の「つくる人」は、
従来のクリエイター像とは異なる 複合的・横断的・実践的な新しい存在である。
彼らは
-
実務経験のある中堅層
-
マルチツールを駆使する横断型制作者
-
オンライン×オフラインで発信するハイブリッド表現者
-
効率化を越えて“自己表現回復”を果たす創作者
-
一方で権利・コスト・習熟の構造的課題を抱える層
-
未来技術と社会実装に強い関心を持つ層
で構成されている。
この調査は、AIクリエイターの実態と社会的課題の双方を示す 極めて価値のある第一次エビデンスであり、
価値観診断、AIクリエイター認証制度(AICU CERT)、政策提言、企業向け支援などの基盤として活用できる。
**◆ 第5章:示唆(Implications)**生成AI時代の“つくる人”に対して何が必要か
以下は、あなたの調査の本質を踏まえて、
AICU・教育・企業・公共(行政)へ 直接使える示唆 をまとめた完成版です。
■ 1. AICUへの示唆
(1)AIクリエイターの「信用基盤」をつくる役割が求められている
Q15-b/c から明確になったように、
AIクリエイターは
-
スキル(プロンプト)
-
法令理解
-
倫理
-
作品真正性(来歴)
の 4 項目に強い証明ニーズを持つ。
これは、AICUが
“AIクリエイターの公的信用機関” に近づくことを意味する。
→ AICU CERT(AIクリエイター証明制度)の正式設計は必須であり、
業界標準として広める潜在性が高い。
(2)複合ツール(マルチモーダル)時代に対応したスキル体系が必要
Q8/Q12d が示すように、AIクリエイターは
文章・画像・動画・音楽・編集 を横断して制作している。
従来型(Photoshopだけ、映像だけ)ではなく、
複合スキルを前提としたスキルマップが必要。
→ AICUスキルマップは「領域横断」を基本に設計すべき。
(3)“心理的価値”を取り込んだ支援が必要
Q19から明確だったのは、
-
自己表現の回復
-
創作意欲の復活
-
表現のアクセシビリティ
-
創作の楽しさ
こうした 情緒的価値 が AI 活用の根源的モチベーションになっている点。
AICUの支援施策・メンタリングには、
「心理的ハードルの低減」が重要な指標になる。
■ 2. 企業(事業会社/制作会社)への示唆
(1)AIクリエイターは“横断型人材”であり、従来職種の枠では評価できない
企業は
-
画像担当
-
動画担当
-
コピー担当
のような分業を前提にしている。
しかしAIクリエイターは
1人で文章→画像→映像→音楽→編集 を行う。
→ 企業側は AIクリエイティブの“新職種” を定義する必要がある。
→ 採用基準・評価制度も変わる。
(2)AI活用は“効率化”より“新価値創造”に向かう
Q13が示すように、時間短縮→品質向上の次は、
新規受注・サービス開発・企画力 に広がる。
企業は「業務効率」だけでなく
AIを用いた価値創造の事例を積極的に探すべき。
(3)法務・ガバナンスの整備が急務
著作権・責任の所在(Q17-b/c)が分散している現状は、
企業の AI 導入にとって重大なリスク。
→
-
二次利用
-
再学習
-
来歴証明
などのルール整備が必須。
AICUの標準化が企業側の負担を減らせる。
■ 3. 教育機関(大学・スクール)への示唆
(1)“AIでつくる力”は新しいリテラシーである
Q8/Q19 から、AIクリエイティブは
表現力の新しい入口となっている。
教育機関は
-
「AIで描く/作る/まとめる」
-
「複数ツールを連携させる設計力」
-
「責任あるAI(R-AI)」
を体系化したカリキュラムが必要。
(2)学生と実務者の差がなくなっている
30〜50代のほうがむしろ積極的にAIを使いこなしており、
学生も社会人も 同じプラットフォーム上で学んでいる。
→ 世代別教育より、
プロジェクト型・コミュニティ型教育が効果的。
(3)作品の真正性に対する教育が必要
Q15-c の需要から、
「作品の来歴を証明する」=プロヴェナンスの理解が必要。
これは美大・テック系の教育において新規テーマ。
■ 4. 行政・政策への示唆
(1)“つくる人”の新しい雇用・産業構造が生まれている
Q10 では年100万円以上の収益が出る個人もおり、
AIクリエイティブは 新しい産業の萌芽である。
政策としては
-
個人クリエイター支援
-
マイクロアントレプレナー育成
が重要。
(2)著作権・再学習などの法整備が遅れている
Q17 で意見が割れていること自体が、
制度未整備のサイン。
行政は
-
データ来歴(プロヴェナンス)
-
二次利用の標準化
-
AI生成物の権利整理
を早急に進める必要がある。
(3)教育・公共分野でのAI活用のニーズが高い
Q20 で多数の関心があり、
“公共×AIクリエイティブ”は大きな未踏領域。
行政視点では
-
図書館
-
文化施設
-
福祉領域(障害、高齢者)
-
公教育
といった場との連携が見込まれる。
◆ 総括
本調査は、生成AI時代の“つくる人”(AIクリエイター)の実態を立体的に示した国内有数のデータであり、AICUによる白書・制度設計・教育・政策提言の基盤として活用できる。
この調査は「単なる意識調査」ではなく、
“新しい創作労働の誕生”を裏づける初期エビデンスとなっている。
◆ 第6章:今後の調査・研究計画(Next Steps)
■ 1. マネタイズ実態の詳細調査
Q9〜Q10・Q20で、
「AIでどの領域が収益化しやすいのか」 への強いニーズが複数確認された。
次の調査では:
-
作品ジャンル別の収益化率
-
案件獲得ルート(SNS/コミュニティ/プラットフォーム)
-
価格帯(制作単価・販売単価)
-
継続収益の特徴
-
副業としての成立可能性
を深掘りする必要がある。
これは AICUのプラットフォーム価値(案件マッチング)にも直結する。
■ 2. AIクリエイターのスキル構造・プロファイル化
Q6・Q8・Q12d から、AIクリエイターは
領域横断(テキスト×画像×動画×音楽) が一般的であることが判明した。
次期調査では、
-
制作ワークフロー
-
得意領域の組み合わせ(例:画像+動画)
-
ツールスタック
-
制作時間
-
作品単位のプロセス
などを測定し、
**プロファイル分類(タイプ分け)**を明確化する必要がある。
これは 価値観診断(あなたが研究している領域) の基盤になる。
■ 3. 著作権・二次利用・来歴情報(プロヴェナンス)の実態調査
Q15-c・Q17 で、
権利・倫理・責任への不安が最も深いテーマのひとつであることが明確になった。
次期調査では
-
AI生成物の来歴(モデル・プロンプト)の扱い
-
二次利用のライン
-
再学習(ファインチューニング)の許容度
-
法的責任の意識
をさらに細分化して調べるべき。
AICU CERT(AIクリエイター証明制度)の制度設計にも必須。
■ 4. 高度技術(動画・音楽・3D)の習熟実態
Q20の自由記述には
Sora、ComfyUI、stable diffusion、3D生成、Unity AI など、
高度技術への関心が多く含まれていた。
次期調査では
-
これら高度技術の利用状況
-
習熟の障壁
-
必要リソース(GPU/コスト)
-
エージェント型AI・自動化のニーズ
を新たに調査する必要がある。
これにより、
次世代クリエイティブの方向性 を把握できる。
■ 5. AI活用の心理的価値・表現のアクセシビリティ
Q19で「創作意欲の回復」「自己表現の再開」が多く語られた。
これは非常に重要で、次期調査では:
-
AIが“創作のハードル”をどう下げたか
-
心理的効用(自信・達成感・承認)
-
社会的弱者(障害・高齢者など)へのアクセシビリティ
を意図的に測定する価値がある。
AICUの「インクルーシブAI」領域にも直結する。
■ 6. AIクリエイティブの社会実装(教育・行政・企業)
Q20には、
-
公共
-
教育
-
企業の人材需要
-
海外文化比較
などの関心が挙がった。
調査方向としては:
-
公教育でのAI制作学習
-
自治体のAI活用政策
-
海外クリエイティブ文化の比較(例:中国Bilibili圏)
-
企業のAI人材ニーズ
などを深掘りする価値が高い。
■ 7. AICU内部の深掘り:インタビュー調査(Q21)
Q21では 協力可が多数(40名超) だったため、
次に進むべきは:
-
深度インタビュー(1on1)
-
事例ヒアリング
-
制作プロセスの観察
-
ケーススタディ(成功例・失敗例)
定性調査フェーズに移るための母集団は十分確保されている。
◆ 総括
第1弾調査は「実態の基礎構造」を明らかにした。
第2弾はそこから一歩進み、
“AIクリエイティブの経済構造・権利構造・技術構造・心理構造” を可視化する段階に入る。
AICUが研究機関として実力を示すのは、まさに次のフェーズであり、 今回の調査は、その強固な足場として十分すぎる成果になっているといえるだろう。
調査にご協力いただいた皆様に感謝を記すと共に、今後の継続的な調査協力および、このプラットフォームを活用した、 案件の創出やマネタイズの基盤づくりに貢献できれば幸いである。
実施したアンケートフォーム全文
◆ 第1章:はじめに
本調査は、生成AIを活用して創作活動を行う、またはその可能性に関心を持つ個人を対象に、AI時代における「つくる人」の実態を明らかにする目的で実施した。回答者は、30〜50代の実務経験を持つクリエイター、特にフリーランスが中心であり、AIを“創作と仕事の不可欠な基盤”として位置づけている層が大半を占めた。
分析の結果、AIクリエイターは複数の生成AI領域(テキスト・画像・動画・音楽など)を横断して活用し、効率化だけでなく新規価値の創出、収益化、自己表現の拡張といった多様な成果を得ていることが明らかとなった。一方で、ボトルネックとしては「コスト負担」「学習ハードル」「著作権・倫理不安」「情報更新の速さ」などが共通課題として浮かび上がった。
本調査データは、AICUがビジョンとして掲げる、AI時代に 「つくる人をつくる」の実体把握の基礎データとして継続活用されるとともに、生成AIを用いる創作者のプロファイル化、価値観診断、AI人材マッチング、責任あるAI活用ガイドラインなど、次世代のクリエイティブ実践を支える社会的基盤形成に寄与すると考えている。
◆ 第2章:調査概要
1. 調査目的
本調査は、生成AIを活用する「つくる人」の実態を、属性・価値観・スキル・創作行動・収益・投資・課題・倫理意識など複数の観点から総合的に把握することを目的として実施した。
2. 調査対象
生成AIを活用して創作・業務・企画などを行っている、または利用意欲のある個人。主な回答者層は以下の通り。
-
画像・テキスト・動画・音楽など複数領域を扱うAI利用者
-
AICUを中心としたAIクリエイティブコミュニティ参加者
-
AI創作に関心の高い一般クリエイター
3.サンプル数
サンプル数は N=50。
4. 調査期間
2025年11月5日~2025年11月23日
5. 調査方法
オンラインアンケート(Googleフォーム形式)。
6.備考
設問によって有効回答数が異なる(無回答・スキップあり)
第3章:調査結果(第1層:データ編/Facts)
【Q1】本調査結果のデータ利用方針についてご同意いただけますか?
【Q2】あなたの年齢を教えてください。
回答者の年齢は、30〜50代が全体の約8割を占めた。内訳は40代(32%)、50代(28%)、30代(22%)で、20代(10%)、60代(8%)が少数派として続く。主要な利用者層は実務経験を持つ30〜50代であり、若年層に限定されず複数世代に広がっていることが確認された。
【Q3】あなたの性別を教えてください。
性別構成は男性58%、女性42%であった。スキル系調査としては女性比率が相対的に高く、多様な属性の利用者が生成AI創作に参加していることが確認された。
【Q4】現在の職業を教えてください。
回答者で最も多かったのはフリーランス・個人事業主(36%)で、次いで会社員(クリエイティブ職:16%)、会社経営(14%)が続いた。非クリエイティブ職、公務員、研究関係者、学生なども少数存在した。
職業構成は幅広いが、全体の約半数が創作や企画を職業と結びつけやすい層であり、生成AIが実務的価値を伴って活用されていることが読み取れる。
【Q5】お住まいの地域を教えてください。
回答者の居住地域は 東京都を中心とする首都圏が約6割を占めた。東京が最多で、神奈川・千葉・埼玉が続く。その他は大阪・愛知・兵庫・福岡、地方県、海外が少数で構成された。
生成AI利用者は都市圏に集中しつつも、全国・海外に分散する構造が確認された。
回答者は、自身のAIとの関わり方として複数の立場を選択していた。
主な選択肢では、「AI受容者・ファン」が最も多く、次いで 「AIアーティスト」、「AIエンジニア」、「AIプロデューサー」 が続いた。複数回答が可能であったため、一人が複数の立場を併せ持つケースも多く確認された。
回答者の多くは、創作者・技術者・受容者といった複数の立場を横断してAIに関わる傾向が見られた。
回答者27名の所属セクターは、個人クリエイター(フリーランス・副業含む)が48.1%と最多であった。
次いで、クリエイティブ企業(制作会社・広告・デザイン等)が11.1%、出版(7.4%) が続く。
その他、映画、ゲーム・VTuber、教育機関、行政・公共、製造業など、各セクターから1~2名の回答があった。
生成AIを活用する「つくる人」は、個人クリエイターが中心でありつつ、産業横断で参加者が広がっていることが確認された。
回答者の 86%(43名) が「生成AIを使って制作を行っている」と回答した。
一方、「鑑賞・購入のみ」と回答したのは 10%(5名)、「どちらも行っていない」は 4%(2名) にとどまった。
つまり、回答者の約9割は 制作活動に直接関与 しており、純粋な鑑賞者は少数派である。
本調査の回答者は、生成AIを「見る側」ではなく、自ら制作に活用する“つくる側” が圧倒的多数を占めていた。
回答者 43 名のうち、最も多く利用されていたのは テキスト生成(95.3%/41名) であった。
次いで、
-
画像生成:36名(83.7%)
-
動画生成:26名(60.5%)
-
コーディング支援:21名(48.8%)
-
音楽生成:18名(41.9%)
そのほか、
-
3Dモデル生成
-
スライド生成/サイト生成
-
企画壁打ち
-
高度な3D(TripoAI等)
といった個別領域が いずれも1名(2.3%) ずつ確認された。
「使用していないが興味がある」を選択した回答者はゼロであり、回答者のほぼ全員がいずれかの生成AI領域を実際に利用していた。
回答者は テキスト・画像・動画・音楽・コーディングと複数の生成領域を横断して利用しており、特にテキスト生成の利用率が極めて高い ことが確認された。
生成AIを用いた制作に関する有償実績については、回答者50名のうち、
-
「有償実績がある」:23名(46%)
-
「有償実績がない」:20名(40%)
-
「無回答・その他」:7名(14%)
「有償実績がある」と回答した23名の内訳では、
-
毎月の継続的収益がある:14名
-
数ヶ月に1回程度の不定期収益:6名
-
1回のみの単発収益:3名
という分布であった。
回答者の半数弱がすでに何らかの形で収益化を経験しており、継続的に収益を得ている層も一定割合を占める。
回答者の約半数が生成AIを用いて 有償の制作経験を持ち、一定の収益化が進んでいる層が存在する ことが確認された。
有償実績がある 23 名のうち、売上帯は以下のように分布した。
-
〜10万円未満:9名(39.1% )
-
〜50万円未満:4名(17.4% )
-
〜100万円未満:2名(8.7% )
-
100万円以上:8名(34.8% )
売上規模は“少額〜中規模”まで幅広く、年100万円以上の収益を得ている回答者も8名存在した。
生成AIを活用した収益は少額にとどまる層も多い一方で、年100万円以上の売上を上げるクリエイターが一定数存在し、収益構造の多様性が確認された。
◆ 調査結果(第2層:コスト・環境・意識調査) 続いて、AIツールの利用コストや学習環境、そしてクリエイターの意識に関する詳細データをご報告します。
【Q11】月額のAIツール利用料について 過去1年間の平均的な月額利用料について伺いました。 結果は、「無料から5万円以上」まで非常に幅広く分散しています。 具体的には、月額1,000円から3万円の範囲で支払っているユーザーが全体の約60%を占めました。その一方で、月額2万円以上を支払う「高額投資層」も約30%存在します。 「無料で使う層」と「積極的に投資する層」、AI活用の深さに応じて二極化が進んでいる現状が見て取れます。
【Q12】学習・スキルアップへの投資について AIに関する学習への投資額についても同様の傾向が見られました。 0円から数万円まで幅広く分布しており、中には月額2〜3万円台の自己投資を行っている方もいらっしゃいます。学習意欲には個人差がありますが、新しい技術に対して一定のコストをかけるユーザーが多いことが分かりました。
【Q12a・b】学習のチャネルについて では、皆さんはどこで学んでいるのでしょうか。 最も支持を集めたのは「オンライン動画」と「Web記事」で、ともに約7割の方が利用しています。次いで「独学」が続きます。 「最も役に立つもの」としても、オンライン動画、独学、Web記事がトップ3を占めました。 体系的な講座よりも、**動画やWeb記事を活用した「自律的で柔軟な学習スタイル」**が、AIクリエイターの主流となっているようです。
【Q12c・d】制作環境とハードウェアについて 制作環境については、PCとスマートフォンの併用が主流で、ごく一般的なPC環境で制作が成立していることが分かりました。 GPUなどの計算環境についても、Apple SiliconやクラウドGPUなどが使われていますが、ローカル環境での高性能GPUへの依存度は限定的です。ハードウェアスペックよりも、クラウドベースの「ツール主導」で利用が進んでいることがうかがえます。
【Q12d・e】使用ツールとコストの傾向 使用されているツールは非常に多岐にわたります。 ChatGPT、Midjourney、Stable Diffusionといった主要AIツールに加え、PhotoshopやPremiereなどの従来の編集ツールも併用されており、「AIと既存ツール」が自然に組み合わさっています。 また、「その他」の回答として、ローカルAIやコーディング支援などの新しいツールが多数挙げられました。回答者の多くが、新しい技術を積極的に試す「アーリーアダプター」であることが如実に表れています。 これに伴い、サブスクリプションの合計金額も、月額2万円を超えるヘビーユーザー層が目立ち、**「複数のツールを使いこなすための投資」**が活発に行われています。
【Q13】AI利用の効果と期待について AI利用の効果について、「現状」と「今後」を比較すると、興味深い「三層構造」が見えてきました。 まず第1段階として、**「時間短縮」や「品質向上」については、すでに多くの方が効果を実感しています。 第2段階の「新規受注」や「明確な価値創出」については、現時点では「今後の期待」とする声が多く、これからの課題と言えます。 そして第3段階である「コミュニティ発信」や「キャリア拡張」は、すでに実践している層とこれから広げたい層が混在しており、現在進行形のチャレンジ領域となっています。 AIは効率化の道具としてはすでに定着しており、今後は「いかに収益や社会的価値につなげるか」**が焦点となりそうです。
【Q14】AIに対する態度について 回答者の約8割が、AIを**「仕事や創作にとって不可欠、または重要なインフラ」**であると捉えています。 「便利だがなくてもよい」という回答は少数派であり、多くのクリエイターにとって、AIはもはや手放せないパートナーとなっているようです。
【Q15】AI利用のボトルネックについて 一方で、課題も浮き彫りになりました。 特に多かったのは、「利用コストの高さ」「情報の更新スピードに伴う学習負荷」「品質調整の手間」、そして**「権利や倫理の不透明さ」**です。 お金、時間、そしてルール。この3点が、現在のAIクリエイターにとっての大きな障壁となっています。
【Q15-a・c】証明書サービスへのニーズ こうした背景からか、AIクリエイター向けの「スキル・倫理証明サービス」に対して、約8割の方が利用意向を示しました。 具体的には、「プロンプトなどのスキル証明」だけでなく、「著作権法の理解」や「倫理観」、そして「作品の真正性」を証明したいというニーズが強く、**不透明な環境下での「信頼の可視化」**が求められています。
【Q16】作品の公開について 制作した作品の公開先は、X(旧Twitter)を中心としたSNSと、YouTubeなどの動画プラットフォームが主流です。 「公開していない」という人は少数で、回答者の多くが積極的に作品を外部へ発信していることが確認されました。
【Q17】他者への応援と二次利用について クリエイター同士の交流についても伺いました。 他者の作品に対して、少額ながらも金銭的な支援を行っている方が多数派であり、相互応援の文化が形成されつつあります。 また、自身の作品の「二次利用」については、「非商用ならOKだが、商用は要相談」というスタンスが最多でした。ただし、寛容な方から厳格な方まで意見は幅広く、ライセンスに関する合意形成はまだ過渡期にあるようです。
【Q17-c】著作権の責任所在について AI生成物の著作権責任を誰が負うべきか、という問いに対しては、「ツール提供者」とする意見と「利用者自身」とする意見で回答が割れました。この領域に関しては、クリエイター間でもまだ見解が定まっていないことが分かります。
【Q19・Q20】定性的な評価と今後の要望 最後に、自由記述の回答をご紹介します。 AIを利用して良かった点として、**「表現の幅が広がった」「創作が再び楽しくなった」**という、心理的なポジティブ体験が多く寄せられました。単なる効率化だけでなく、クリエイターの心を動かすツールとして機能していることが伝わってきます。 また、今後調査してほしいテーマとしては、「最新ツールの技術比較」に加え、「収益化の方法」「権利問題の整備」「AIの未来像」などが挙げられました。 「道具・お金・法律・未来」。この4つのテーマに、クリエイターたちの関心が集まっています。
【まとめ】 以上、調査結果の詳細をお伝えしました。 本調査にご協力いただいた皆様の多くが、今後のインタビュー調査にも「協力可能」と回答してくださっています。AICUでは、こうした熱量の高いコミュニティとともに、AI時代の「つくる人」を支える活動を続けてまいります。
-
20,000〜30,000円:7名(16.3%)
-
30,000〜40,000円:1名(2.3%)
-
40,000〜50,000円:1名(2.3%)
-
50,000円以上:4名(9.3%)
-
その他(年間20,000円以上):1名(2.3%)
AIツール利用料は 無料~50,000円以上まで広く分散しており、
特に 1,000〜30,000円の範囲で支払うユーザーが約60% を占めた。
一方で 20,000円以上の高額投資層も約30% と一定数存在し、
AI活用の深度に応じた二極化が見られた。
0円〜数万円まで幅広く、月2〜3万円台の自己投資をする層も存在した。
学習意欲には個人差があるが、一定の投資を伴うユーザーが多い。
最も支持を集めたのはオンライン動画・Web記事(ともに69.8%)であり、次いで独学(65.1%) が続いた。
生成AIに関する学習は、動画・Web記事・独学という自己主導の学習方法に集中しており、コミュニティや書籍は補完的な役割となっていた。
もっとも支持を集めたのはオンライン動画(28.6%)であり、次いで独学(23.8%)、Web記事(21.4%)が続いた。
生成AIに関する学習では 動画・独学・Web記事が三大主要チャネル となっており、体系的な講座よりも“自律的で柔軟な学習方法”が重視されていることが確認された。
PC(Windows、Mac)+スマホ併用が主流。スマホ中心も一部存在。
生成AIの利用は 一般的なPC環境で成立していた。
Apple Silicon、RTXシリーズ、クラウドGPU(Colab等)などが少数ずつ。ローカルGPU利用者は限定的。
高性能GPU依存は限定的で、ツール主導の利用が多かった。
回答者が使用している制作ツールは 非常に幅広く、多領域にまたがっていた。
主要ツールとしては、ChatGPT、Midjourney、Suno、Stable Diffusion(A1111/ComfyUI)、Runway、Google Veo3・ImageFX といった テキスト/画像/動画/音楽の主要AIツールが複数同時に使われる構造が目立った。
加えて、Adobe Photoshop・Premiere・After Effects、DaVinci Resolve、CapCut などの 従来型の編集ツール も併用されており、AIツールとDCCツール(Digital Content Creation)が自然に組み合わさっている。
さらに特筆すべきは、自由回答に見られた 選択肢外の“その他ツール”の豊富さである。
差分として抽出された15種類のツール(LM Studio、Cursor、vscode、animon、coze など)は、ローカルAI・コード支援・新興動画AI・制作補助など先端領域に集中しており、回答者の多くが 新しいツールを積極的に試すアーリーアダプター であることがうかがえる。
有効回答は 22件 で、金額の分布は以下のような傾向となった。
-
0円(無料枠内) の回答が一定数存在
-
〜5,000円程度 のライトユーザーが複数
-
10,000〜30,000円台 の継続投資層も複数
-
月20,000円以上 の“ヘビーユーザー”層が目立ち、
多数のツールを併用する傾向がある
利用者の間で支出額の幅が大きく、制作スタイルの違いに応じて「無料/低額利用」と「複数ツールを併用する高額投資層」という二極化傾向がみられた。
【Q13】AI利用によって実現できた「効果の現状」と、今後「期待していること」をそれぞれ教えてください。
AI利用によって得られている効果について、回答者は「現状すでに実現できていること」と「今後さらに伸ばしたいこと」を9つの観点から回答した。
その結果、
-
「時間短縮」と「品質向上」 は「現状できている」と回答した割合が高く、すでに多くの回答者が効果を実感している。
-
一方で、「新規受注」「業務フロー開発」「明確な価値創出」 は「今後伸ばしたい・期待したい」が優勢であり、現時点では一部の先行層にとどまっている。
-
「コミュニティでの発信・コラボ」「クリエイティブ職への意欲・キャリア拡張」「オープンソースなど共有技術開発への参加」については、「現状できている」「今後伸ばしたい」がいずれも一定数あり、実践している層と、今後取り組みを広げたい層が混在する結果となった。
-
「AI関連企業への投資」は、現状実行している人は少数だが、「今後期待したい」とする回答は一定数見られた。
Q13の結果から、生成AI活用の効果は、
-
第1段階:時間短縮・品質向上(すでに達成済み)
-
第2段階:新規受注・業務フロー開発・価値創出(これから伸ばしたい領域)
-
第3段階:コミュニティ発信・キャリア拡張・共有技術開発(チャレンジ中の領域)
という「三層構造」で捉えることができる。
多くの回答者にとって、AIはすでに効率化の道具としては十分機能している一方で、収益化・事業化・社会的価値への展開は「今後の期待領域」として残されていることが明らかになった。
回答者の大多数が、AIに対して肯定的かつ積極的な態度を示した。
-
AIがなければ仕事・制作は成り立たない(不可欠):最多
-
不可欠ではないが重要:次に多い
-
便利だが従来手法でも可能:少数
-
ほぼ使う必要はない:ごく少数またはほぼゼロ
合計すると、回答者の 約8割が “AIは仕事・創作にとって主要なインフラ” と捉えている結果となった。
回答者の多くが、生成AIを制作・業務にとって不可欠、あるいは重要な基盤ツールとして認識していた。一方で、「便利だがなくてもよい」という立場は少数派であり、AIに対する態度は全体として前向きかつ高い依存度を示した。
回答者がAI利用で感じている「課題」「障壁」として多く挙げられたのは、以下の項目であった。
上位の課題
-
利用コストの高さ(サブスク・従量課金):最多
-
学習・習得コスト(情報更新の早さ、キャッチアップ負荷)
-
成果物の破綻・修正に時間がかかる(品質調整の手間)
-
著作権・倫理・利用ルールの不透明さ
中位の課題
-
PCスペック・ハードウェア要件
-
日本語対応や文化的文脈の弱さ
-
法規制・ガイドラインが曖昧なこと
下位(少数)
-
組織文化/会社での利用制限
-
チームでのAI導入の難しさ
複数回答であるため個人ごとの背景は異なるが、
「時間」「コスト」「ルール」に関連する項目が全体的に多い。
Q15の結果から、生成AIの課題は 利用コスト、学習負荷、品質調整、権利・倫理の不透明さといった “制度・習熟・品質” の三領域に集中していることが確認された。特にコストと学習負荷は多くのユーザーが共通して感じる障壁となっている。
AI業務や制作案件で活用できる「スキル証明」「倫理証明」「マネジメント証明」などの “AIクリエイター向け証明書サービス”に対して、回答者の約8割が利用意向を示した。
不要とする層は1割未満で、業務実績の信頼性やスキル可視化へのニーズが非常に高いことが確認された。
生成AIクリエイターは、証明書に 「スキル(プロンプト能力)」「法令理解」「倫理」「作品真正性」 の4軸を最も強く求めており、とくに 著作権・法令理解とプロンプト設計能力は同率トップの13件 と突出していた。これは、AI時代の不透明な権利環境と、制作スキルの専門性を同時に可視化したいというニーズが高いことを示している。
生成AI作品の公開先は X を中心としたSNSと YouTube を中心とした動画プラットフォームが主流であり、note・Instagram など複数チャネルを組み合わせて発信する利用者が多数を占めた。
一方で「公開していない」回答は少数で、回答者の多くが 積極的に作品を外部へ公開する創作者であることが確認された。
他者クリエイターへの支援額は以下のように分布した。
-
支払わない:少数
-
〜1,000円:最も多い
-
〜3,000円:次に多い
-
〜5,000円:一部
-
〜10,000円:少数
-
それ以上:ごく少数
全体として、何らかの金額で他者を応援している回答者が多数派となった。
生成AIクリエイターの間には、小額支援を中心とした相互応援文化が形成されつつあることが確認された。
AI作品を印刷物として使う場面は 名刺・展示・ポスター類が中心であり、作品をリアルに渡す・見せるための接点として積極的に活用されていることがわかった。一方、「使わない」という回答は少数で、印刷物を通じてAI作品を届けたいというニーズが明確に存在している。
生成AI作品の二次利用に対する考え方は 「非商用は許諾するが、商用は個別に対応する」 が最多であった。一方で、二次創作や再学習を広く許可する寛容派から、すべてを許可しない厳格派まで幅広い回答が存在し、生成AI時代のライセンス観がいまだ定まっていない過渡期にあることが顕著に示された。
回答では「ツール提供者が責任を負うべき」という意見が最も多かった一方で、「利用者自身が責任を負うべき」という回答も4割近く存在した。結果として、AI生成物の著作権責任については 明確な多数派の合意がなく、見解が分かれる領域である ことが確認された。
【Q19】 生成AIを利用して「よかった」と感じた体験(自由記述)
生成AIの利用を通じて 「表現の拡張」「時間短縮」「心理的ハードルの低下」「創作意欲の回復」「公開機会の増加」 など、多様なポジティブ体験が報告された。
特に “自分一人で新しい表現に挑戦できる”“創作が再び楽しくなった” といった回答が複数みられ、AI活用が創作面だけでなく心理的な面でも効果をもたらしていることが確認された。
【Q20】今回の調査に加えて「調査してほしい要素」や「おすすめのサービス」があれば教えてください
Q20では、今後調査してほしいテーマとして 「AIツールの比較・技術トレンド」 が最も多く挙げられた。特にノーコード、AIエージェント、Sora、ComfyUI、stable diffusion、3D生成、動画生成、音楽生成など、最新ツールの深掘りを求める声が多かった。また、「収益化・案件獲得」「著作権や権利問題」「教育・企業での社会実装」「制作ワークフロー」「AIの未来像」など、実務と将来に直結するテーマも複数見られた。これらの回答は、生成AIクリエイターが“道具の理解”“お金のリアリティ”“権利の整備”“将来の展望”の4領域に強い関心を持っていることを示している。
【Q21】インタビュー協力の意向
「今後のインタビュー調査等に協力してもよい」と回答したのは40名超であり、協力しないとする回答は少数であった。今後の定性調査に活用可能なパネルが形成されている。
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◆ 第4章:総合考察(Analysis) 生成AI時代の“つくる人”の構造と意味**
■ 1. 主要層は「実務経験のある30〜50代」、創作は“職能”へ変化している
本調査の回答者は、年齢構成において 30〜50代が約8割を占め、特に40〜50代の実務者が中心であった。
これは、生成AI活用が「若者の遊び」ではなく、職業的スキルや実務の延長線上に位置づく技術になっていることを示す。
40〜50代は専門領域や課題が明確で、
-
制作効率化
-
新規案件の取得
-
スキルの再構築
にAIが直結するため、強い動機をもって活用している。
この構造は、生成AIが単なる娯楽ではなく、キャリアの資産形成に直結する技術として受け入れられていることを示唆する。
■ 2. AIクリエイターは「複数領域・複数ツール」を横断する“マルチモーダル制作者”
Q8(活用領域)および Q12d(使用ツール)の結果より、
AIクリエイターは テキスト・画像・動画・音楽・コーディング を横断する制作スタイルが一般的である。
さらに、
-
ChatGPT
-
Midjourney / SDXL / ComfyUI
-
Runway / Google Veo3
-
Suno / Udio
-
Adobe系(Photoshop / Premiere / AfterEffects)
を複合的に併用し、ひとりで「文章 → 画像 → 映像 → 音楽 → 編集」まで完結させる。
これは従来のクリエイター像(絵描き/動画職人/音楽家など)を超えた、
新しい“マルチモーダル・クリエイター”像の誕生を意味する。
作品制作が
“専門職の分業”から “一人で完結できる総合制作”
へシフトしたことは、生成AI時代の本質的変化である。
■ 3. 作品公開は“オンライン×オフライン”のハイブリッド化
Q16では、X(旧Twitter)、YouTube、Instagram、note に分散しつつ、ほとんどの利用者が 複数チャネルで作品を公開していた。
さらに、Q17-a では
-
名刺
-
展示会のポスター
-
履歴書/ポートフォリオ
など オフラインの表現手段としてAI作品を活用したい層が多い。
これは生成AI作品が
-
SNS拡散型
-
ギャラリー展示型
-
紙媒体で手渡す型(名刺・年賀状)
のいずれでも自然に使われる「メディア横断的な表現物」になっていることを示す。
“AI作品はデジタルだけ”という先入観は完全に崩れている。
■ 4. 収益化は「二極化」しつつ、確実に前進し始めている
Q9・Q10の結果から、
-
収益ゼロ〜10万円未満の層と
-
年100万円以上の売上を得る層
が共存していることが明らかになった。
さらに、
Q11(利用料)・Q12e(学習投資)でも
無料〜低額ユーザーと、高額投資ユーザーの二極化が確認された。
これは、AIクリエイターの経済圏がまだ成熟していないものの、
個人の創意工夫次第で実績が生まれつつあることを示している。
AIが「副業の新しい入口」として確実に機能し始めている。
■ 5. 最大のボトルネックは「コスト」「習熟」「権利」
Q15-a では次の3点が明確に浮き彫りになった。
-
利用コスト(サブスクリプション・従量課金)
-
学習ハードル(更新の速さ、自学習前提)
-
著作権・倫理の不透明さ
これらは、個々人の努力では解決できない“構造的問題”であり、
政策・企業・コミュニティが共同で対応すべき領域である。
生成AI活用は個人では限界があるという視点もデータから読み取れる。
■ 6. 著作権・ライセンス意識は「慎重派/柔軟派/寛容派/判断不能」に分散
Q17-b、Q17-c の結果は非常に示唆的だ。
-
非商用は許諾/商用は個別契約(最多)
-
商用も含めて全て個別契約
-
加工・再学習を許可する寛容派
-
再学習不可/二次創作不可の厳格派
-
判断できない(法律未整備のため)
この分散は、生成AI時代における ライセンス観の未成熟さと多様性 を表す。
とりわけ Q17-c では
-
提供者責任:56%
-
利用者責任:39%
と分かれ、コンセンサスが未形成であることが確認された。
■ 7. 証明書ニーズは突出して高い(約8割が利用意向)
Q15-b/c より、
-
スキル証明(プロンプト設計力)
-
法令理解
-
倫理証明(Responsible AI)
-
作品の真正性(来歴証明)
が最重要視されており、
“AIクリエイター向け資格・証明書サービス”への強いニーズが確認された。
これは、AIクリエイターの
-
信頼性
-
説得力
-
取引上の安心
-
社会的認知
を高めるための基盤づくりが求められていることを意味する。
(あなたがAICUで進めている「AICU CERT」がまさにこのニーズを満たす)
■ 8. AI活用の価値は“効率化”から“自己表現の回復”へ
Q19 で顕著だったのは、
心理的な回復効果(自己表現の再開) である。
-
創作のハードルが下がった
-
自分では描けなかった/作れなかった領域に挑戦できた
-
創作が楽しくなった
-
コンプレックスが減った
-
作品公開の機会が増えた
生成AIは単に作業を早くするツールではなく、
表現へのアクセスビリティを飛躍的に高める“表現インフラ” になっている。
■ 9. 未来への関心は「技術」「収益」「権利」「社会実装」に集中
Q20 で挙げられた関心テーマは、
大きく以下の4分類に集約される。
-
技術トレンド(Sora、ComfyUI、3D、Whisk、KLINGなど)
-
収益化(案件獲得・成功例・音楽AIなど)
-
権利整備(著作権・再学習・真正性)
-
社会実装(教育・公共・企業・文化比較)
これは、AIクリエイターが
“手元の制作”から“社会とつながる活動”へと視野を広げていることの証拠である。
◆ 総合的な結論
生成AI時代の「つくる人」は、
従来のクリエイター像とは異なる 複合的・横断的・実践的な新しい存在である。
彼らは
-
実務経験のある中堅層
-
マルチツールを駆使する横断型制作者
-
オンライン×オフラインで発信するハイブリッド表現者
-
効率化を越えて“自己表現回復”を果たす創作者
-
一方で権利・コスト・習熟の構造的課題を抱える層
-
未来技術と社会実装に強い関心を持つ層
で構成されている。
この調査は、AIクリエイターの実態と社会的課題の双方を示す 極めて価値のある第一次エビデンスであり、
価値観診断、AIクリエイター認証制度(AICU CERT)、政策提言、企業向け支援などの基盤として活用できる。
**◆ 第5章:示唆(Implications)**生成AI時代の“つくる人”に対して何が必要か
以下は、あなたの調査の本質を踏まえて、
AICU・教育・企業・公共(行政)へ 直接使える示唆 をまとめた完成版です。
■ 1. AICUへの示唆
(1)AIクリエイターの「信用基盤」をつくる役割が求められている
Q15-b/c から明確になったように、
AIクリエイターは
-
スキル(プロンプト)
-
法令理解
-
倫理
-
作品真正性(来歴)
の 4 項目に強い証明ニーズを持つ。
これは、AICUが
“AIクリエイターの公的信用機関” に近づくことを意味する。
→ AICU CERT(AIクリエイター証明制度)の正式設計は必須であり、
業界標準として広める潜在性が高い。
(2)複合ツール(マルチモーダル)時代に対応したスキル体系が必要
Q8/Q12d が示すように、AIクリエイターは
文章・画像・動画・音楽・編集 を横断して制作している。
従来型(Photoshopだけ、映像だけ)ではなく、
複合スキルを前提としたスキルマップが必要。
→ AICUスキルマップは「領域横断」を基本に設計すべき。
(3)“心理的価値”を取り込んだ支援が必要
Q19から明確だったのは、
-
自己表現の回復
-
創作意欲の復活
-
表現のアクセシビリティ
-
創作の楽しさ
こうした 情緒的価値 が AI 活用の根源的モチベーションになっている点。
AICUの支援施策・メンタリングには、
「心理的ハードルの低減」が重要な指標になる。
■ 2. 企業(事業会社/制作会社)への示唆
(1)AIクリエイターは“横断型人材”であり、従来職種の枠では評価できない
企業は
-
画像担当
-
動画担当
-
コピー担当
のような分業を前提にしている。
しかしAIクリエイターは
1人で文章→画像→映像→音楽→編集 を行う。
→ 企業側は AIクリエイティブの“新職種” を定義する必要がある。
→ 採用基準・評価制度も変わる。
(2)AI活用は“効率化”より“新価値創造”に向かう
Q13が示すように、時間短縮→品質向上の次は、
新規受注・サービス開発・企画力 に広がる。
企業は「業務効率」だけでなく
AIを用いた価値創造の事例を積極的に探すべき。
(3)法務・ガバナンスの整備が急務
著作権・責任の所在(Q17-b/c)が分散している現状は、
企業の AI 導入にとって重大なリスク。
→
-
二次利用
-
再学習
-
来歴証明
などのルール整備が必須。
AICUの標準化が企業側の負担を減らせる。
■ 3. 教育機関(大学・スクール)への示唆
(1)“AIでつくる力”は新しいリテラシーである
Q8/Q19 から、AIクリエイティブは
表現力の新しい入口となっている。
教育機関は
-
「AIで描く/作る/まとめる」
-
「複数ツールを連携させる設計力」
-
「責任あるAI(R-AI)」
を体系化したカリキュラムが必要。
(2)学生と実務者の差がなくなっている
30〜50代のほうがむしろ積極的にAIを使いこなしており、
学生も社会人も 同じプラットフォーム上で学んでいる。
→ 世代別教育より、
プロジェクト型・コミュニティ型教育が効果的。
(3)作品の真正性に対する教育が必要
Q15-c の需要から、
「作品の来歴を証明する」=プロヴェナンスの理解が必要。
これは美大・テック系の教育において新規テーマ。
■ 4. 行政・政策への示唆
(1)“つくる人”の新しい雇用・産業構造が生まれている
Q10 では年100万円以上の収益が出る個人もおり、
AIクリエイティブは 新しい産業の萌芽である。
政策としては
-
個人クリエイター支援
-
マイクロアントレプレナー育成
が重要。
(2)著作権・再学習などの法整備が遅れている
Q17 で意見が割れていること自体が、
制度未整備のサイン。
行政は
-
データ来歴(プロヴェナンス)
-
二次利用の標準化
-
AI生成物の権利整理
を早急に進める必要がある。
(3)教育・公共分野でのAI活用のニーズが高い
Q20 で多数の関心があり、
“公共×AIクリエイティブ”は大きな未踏領域。
行政視点では
-
図書館
-
文化施設
-
福祉領域(障害、高齢者)
-
公教育
といった場との連携が見込まれる。
◆ 総括
本調査は、生成AI時代の“つくる人”(AIクリエイター)の実態を立体的に示した国内有数のデータであり、AICUによる白書・制度設計・教育・政策提言の基盤として活用できる。
この調査は「単なる意識調査」ではなく、
“新しい創作労働の誕生”を裏づける初期エビデンスとなっている。
◆ 第6章:今後の調査・研究計画(Next Steps)
■ 1. マネタイズ実態の詳細調査
Q9〜Q10・Q20で、
「AIでどの領域が収益化しやすいのか」 への強いニーズが複数確認された。
次の調査では:
-
作品ジャンル別の収益化率
-
案件獲得ルート(SNS/コミュニティ/プラットフォーム)
-
価格帯(制作単価・販売単価)
-
継続収益の特徴
-
副業としての成立可能性
を深掘りする必要がある。
これは AICUのプラットフォーム価値(案件マッチング)にも直結する。
■ 2. AIクリエイターのスキル構造・プロファイル化
Q6・Q8・Q12d から、AIクリエイターは
領域横断(テキスト×画像×動画×音楽) が一般的であることが判明した。
次期調査では、
-
制作ワークフロー
-
得意領域の組み合わせ(例:画像+動画)
-
ツールスタック
-
制作時間
-
作品単位のプロセス
などを測定し、
**プロファイル分類(タイプ分け)**を明確化する必要がある。
これは 価値観診断(あなたが研究している領域) の基盤になる。
■ 3. 著作権・二次利用・来歴情報(プロヴェナンス)の実態調査
Q15-c・Q17 で、
権利・倫理・責任への不安が最も深いテーマのひとつであることが明確になった。
次期調査では
-
AI生成物の来歴(モデル・プロンプト)の扱い
-
二次利用のライン
-
再学習(ファインチューニング)の許容度
-
法的責任の意識
をさらに細分化して調べるべき。
AICU CERT(AIクリエイター証明制度)の制度設計にも必須。
■ 4. 高度技術(動画・音楽・3D)の習熟実態
Q20の自由記述には
Sora、ComfyUI、stable diffusion、3D生成、Unity AI など、
高度技術への関心が多く含まれていた。
次期調査では
-
これら高度技術の利用状況
-
習熟の障壁
-
必要リソース(GPU/コスト)
-
エージェント型AI・自動化のニーズ
を新たに調査する必要がある。
これにより、
次世代クリエイティブの方向性 を把握できる。
■ 5. AI活用の心理的価値・表現のアクセシビリティ
Q19で「創作意欲の回復」「自己表現の再開」が多く語られた。
これは非常に重要で、次期調査では:
-
AIが“創作のハードル”をどう下げたか
-
心理的効用(自信・達成感・承認)
-
社会的弱者(障害・高齢者など)へのアクセシビリティ
を意図的に測定する価値がある。
AICUの「インクルーシブAI」領域にも直結する。
■ 6. AIクリエイティブの社会実装(教育・行政・企業)
Q20には、
-
公共
-
教育
-
企業の人材需要
-
海外文化比較
などの関心が挙がった。
調査方向としては:
-
公教育でのAI制作学習
-
自治体のAI活用政策
-
海外クリエイティブ文化の比較(例:中国Bilibili圏)
-
企業のAI人材ニーズ
などを深掘りする価値が高い。
■ 7. AICU内部の深掘り:インタビュー調査(Q21)
Q21では 協力可が多数(40名超) だったため、
次に進むべきは:
-
深度インタビュー(1on1)
-
事例ヒアリング
-
制作プロセスの観察
-
ケーススタディ(成功例・失敗例)
定性調査フェーズに移るための母集団は十分確保されている。
◆ 総括
第1弾調査は「実態の基礎構造」を明らかにした。
第2弾はそこから一歩進み、
“AIクリエイティブの経済構造・権利構造・技術構造・心理構造” を可視化する段階に入る。
AICUが研究機関として実力を示すのは、まさに次のフェーズであり、 今回の調査は、その強固な足場として十分すぎる成果になっているといえるだろう。
調査にご協力いただいた皆様に感謝を記すと共に、今後の継続的な調査協力および、このプラットフォームを活用した、 案件の創出やマネタイズの基盤づくりに貢献できれば幸いである。